私の幼なじみ
ウミ。
僕には双子の兄がいる。
名前はソラ。
僕と違って誰にでも優しくて、
元気で、強豪だと言われるうちのバスケ部の絶対的エース。そんなソラは学校の人気者。
ソラは勉強が嫌いだと言って、サボっているけど元々頭もいいし、授業中は真剣にノートを取ってるから本当は勉強することが好きなんだと思う。 あいつ優しいから、きっと僕に気を使ってるんだと思う。
そして僕たちには幼なじみがいる。
名前はメイ。
僕の好きな人。
落ち着きはないけど、周りを包み込んでくれるような優しさがある太陽みたいな子なんだ。
嫌いな物はピーマン。いつもピーマンの入った料理の時は僕の皿にピーマンだけを移動させる。高校生になり、1口は頑張って食べるようにしているらしく、1口食べる度に褒めてと言わんばかりにこちらを向いてくるメイは、正直可愛い。その顔を僕だけにずっと見せていて欲しいと思う。
そういう所が好きなんだ。大好きなんだ。
でも、メイはきっとソラの事が好き。
海と太陽はとても離れている。
その距離が縮まることはなく、手は届かない。
あいつは僕が欲しい物を
小さい頃から全部持ってた。
運動神経が良くて、バスケのセンスがあった。
僕の100点のテストよりソラのワンゴール。
周りの人はいつもソラに注目していた。
いつからだろう、あいつと比べられるのが嫌で、好きだったバスケを見もしなくなったのは。
いつからだろう、
未完成をこんなにも恐れるようになったのは。
「あいつが羨ましい」
そして
「あいつが憎たらしい」