ウサギ小屋
マコトたちが働ける年齢になった頃にはバイト代までも奪っていた。
「ほら給料出たんだろ、よこしな」
「え、でも」
「あんたたち今まで誰のおかげで生きて来られたと思ってるんだい?少しは親孝行したらどうなんだい?」
「嗚呼分かったよ」
それでもモンスターはマコトのこと「愛してた」と言い張っていた。だがその愛情は根本的にズレていたのである。子供たちの金銭を奪ったり、夜の街を一緒に連れ歩いたりし、それでも子供に飽きてくると児童養護施設に追い返した。
「愛してる?」
「愛してる?」
モンスターにとっては子育てというのは責任のある使命ではなく飽きたら突き放す玩具に過ぎなかった。彼女自身も狂った理由もある筈だがそれはマコトにとってはどうでも良い事だった。中学を卒業してからは一緒に住むようになったが、モンスターはソープランドの仕事に明け暮れろくにアパートには帰る事はなく、家事などはほとんどする事は無かった。会話もほとんどなくマコトの世界も徐々に形成されていった。
マコトはモンスターの世界に浸る事で、まともに人と付き合えないような人間になっていった。モンスターに人並みの愛情を貰うことが出来なかったマコトは、他人を命を大切に思う気持ちが歪んでいった。何度も何度も裏切られ、人を信用する気持ちを持つことが出来なかった。皮肉にもその思考はモンスターに酷似していく形になり、行動は衝動的に思いつきで生活する大人になっていた。
「ほら給料出たんだろ、よこしな」
「え、でも」
「あんたたち今まで誰のおかげで生きて来られたと思ってるんだい?少しは親孝行したらどうなんだい?」
「嗚呼分かったよ」
それでもモンスターはマコトのこと「愛してた」と言い張っていた。だがその愛情は根本的にズレていたのである。子供たちの金銭を奪ったり、夜の街を一緒に連れ歩いたりし、それでも子供に飽きてくると児童養護施設に追い返した。
「愛してる?」
「愛してる?」
モンスターにとっては子育てというのは責任のある使命ではなく飽きたら突き放す玩具に過ぎなかった。彼女自身も狂った理由もある筈だがそれはマコトにとってはどうでも良い事だった。中学を卒業してからは一緒に住むようになったが、モンスターはソープランドの仕事に明け暮れろくにアパートには帰る事はなく、家事などはほとんどする事は無かった。会話もほとんどなくマコトの世界も徐々に形成されていった。
マコトはモンスターの世界に浸る事で、まともに人と付き合えないような人間になっていった。モンスターに人並みの愛情を貰うことが出来なかったマコトは、他人を命を大切に思う気持ちが歪んでいった。何度も何度も裏切られ、人を信用する気持ちを持つことが出来なかった。皮肉にもその思考はモンスターに酷似していく形になり、行動は衝動的に思いつきで生活する大人になっていた。