Livre magic〜未来への光〜
「クククッ……!アッハハハハハハハハハハハ!」

オズワルドさんが笑い出し、びくりと肩が震える。誰もが警戒した目を向けた。

「ハッ!笑わせるな!これが本当の俺だ。覚えておけ、人の心は変わることはない。お前のその幼稚な心は永遠に幼稚なままだってことをな」

オズワルドさんはそう言った後も笑い続け、刑事さんたちが「行くぞ」と言いながら連行されていく。

「あいつの言葉なんて気にしなくていいぞ」

カズが僕の肩に手を置き、言った。僕は微笑んで頷く。僕の言葉、オズワルドさんに届かなかったな……。

「先生は精一杯想いを伝えました。いつか、オズワルドさんもわかってくれる日が来るんじゃないかなと思います」

僕の気持ちを見透かしたようにエリカが言う。シャルロットも頷いた。

「時間をかけて理解できる言葉もあります。偉人が残した言葉のように……」

「まあ、檻の中であの人も反省してまともになって出てくるだろ」

リオンが体を伸ばしながら言う。そっか、もう事件は終わった。僕たちはもう本の世界へ行くことはない。
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