Livre magic〜未来への光〜
「ノワール!カズ!」

「先生!カズさん!」

動けない僕たちに、リオンたちが駆け寄ってくる。そしてメルキュールが「これはひどい傷だ!」と少し取り乱しつつ、回復魔法をかけてくれる。傷が深いため、なかなか治っていかないが痛みは無くなった。

「ありがとう、メルキュール」

僕とカズがそうお礼を言ってゆっくりと立ち上がると、「つまらないな」とオズワルドさんの声がした。自爆したはずなのに、オズワルドさんは僕たちの正反対の場所に移動し、何事もなかったかのように話している。その体に傷は一つもない。

「こんな爆発魔法で動けなくなるとは……。本当につまらない……」

「では、自爆など卑怯な手を使わず正々堂々勝負してはどうです?」

つまらなさそうにあくびをするオズワルドさんに対し、剣を握り締めたシャルロットが走っていく。オズワルドさんはいつの間にか出した剣でシャルロットの攻撃を受け止め、「ほう……」と闘志を宿したシャルロットの目を見つめた。
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