素直な心
「俺…

前からなんかお前のこと放って置けなくなって
それに、お前が他の男と楽しそうにしてるの見る度にモヤモヤするっていうか、、、

なんかよくわかんねぇけど」


「…??」


晶はきょとんとした表情で俺を見つめる。
口下手で不器用な俺はうまく言えなくて
気付いた時には晶を抱き寄せてしまっていた。


「…武?」

腕の中で警戒する晶に気付き、
俺は我に返って腕を解いた。

「ご、ごめん」



気まずい雰囲気が流れる中、晶がゆっくり話し出した。
「あ…ありがと、武。武が私のこと守ってくれてる事…気づいてたよ、嬉しかったし。それに、私の事よく知ってくれてるのは武しかいないと思うから」
そう言って、晶は照れたように俺に笑いかける。
そんな晶が可愛くて、俺は赤くなった顔を隠すように後ろを向いた。
「そ、そーだよなぁ!!
お前が本当はバカで、どうしようもなくドジばっかりな所知ってんの、俺だけだよなー」
 
「一言余計よ!!」

膨れっ面の晶に背中を思い切り叩かれ、
俺たちは笑い合って歩き出す。
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