私とピン球
そう、私は、あの瞬間、恋に落ちた。

それは間違いない。

桃が知りたいのは、誰に、でしょ?

叶わぬ人に、だよ。

絶対に叶うことのない、恋、なんだ。

私は、あの日からキュウスケに振り向いて貰えるよう、必死に打ちまくった。

どうすれば、仲良くなれるのか。

どうすれば、喜んで貰えるのか。

どうすれば、振り向いて貰えるのか。

どうすれば、私のものにできるのか。

どうすれば、上手く扱えるようになるのか。

どうすれば、どうすれば……!

四六時中、キュウスケのことで頭が一杯だった。

だけど、キュウスケは、私にだけ冷たい。

逆らうし、逃げていくし、落ちていくし。

他の人には、従順なのに。

だけどね。

ある日突然、両想いになれたんだ。

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