君想
六時間目も終わって、先生の一言に俺は酷く驚いた。
「席替えするから、くじひいてね〜」

「「は!?席替え!?」」
俺が叫んだのと同時に隣から聞こえてきた声に俺は反応して、隣を見た。
すると、こっちを睨んでいる森松が居た。
「…真似、しないでくれる?」
「してねえよ」
にらみ合ってると、前から先生の声が聞こえて、森松はフンッと逆を向いた
ったく、俺がわりいのかよ…

くじを引いて、結果。

俺は一番右端の一番前の席。
森松は一番左端の一番後ろの席。

「残念だったなあ」

後ろの席になった、元木が背中をぽんぽんと叩き、くくっくと笑っていた。
「別に」
「見ろよ、隣、浦だぜぇ?」
指さされた方を見ると、ニコニコして森松の隣に座っている、浦水。
よくみると、前には加持、その横はあいつの仲いい、大原かなみ。
後ろには、涼と、神谷藍。

…なんだよ、あのめちゃめちゃなメンバー。
「悔しいんだろ〜?」
「別に」
「…てめぇ、自分の面みてからそがんこつ言えや。
 今どがん顔しとるかわかっとるんか。
 俺舐めとんなよ、おい」

元木は、この学校の不良グループの中の一人だった。
その上、学校には毎日遅刻。
髪の毛も伸ばしてて校則違反、煙草だってすうやつだった
そんなやつが今、俺の目の前で、ガンつけいる

「…」
目をそらすと、襟元をガッと掴まれた
「あ゛!?舐めとっつか!
 調子のらんがええぞ、お前!!」
「翔太!喧嘩するな!」
「…っち」
先生からの注意を受けてから、元木はおとなしく席に座っていた
だが、俺があいつらの方を見ていると必ず睨み付けてきた。

「…いいかげん認めぇや」
「…悔しくてなにがわりいんだよ」
「やっと、言うたか。
 俺もちょっと言い過ぎたな。」

笑って俺の方を見る、元木。
案外いいやつなんだ、と俺は安心した
「あれでもさ、浦、気ぃつかってる方なんだぜ?」
「は?」
ニコニコしてずっと喋ってるあいつらがそんな風にはとても見えなかった
「お前がすきってしってっからよ、抑えてんだよ」

「抑えてる…?」
「…ばあーか」

そういい、元木は俯せてしまったが、おれにはなんのことかわからなかった。
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