君想
「…ごめんごめん。」
笑いながら、ガタンと座る元木。
心の中では相当いらついてるんじゃないだろうか。
「森松さ、結構モテるんだぜ?
あんな、性格のどこがいいんだか」
「うん、知ってる」
森松がモテることなんて、承知の元。
知らない方が可笑しい。
「…てか、俺アイツのアド知ってるよ」
「は?」
「浦から教えて貰った。なんか
『メールしたいからパソコン貸して~』
って言われて貸したら森松とメールしてて、そのアド残ってるからさ」
俺もパソコンを持ってて、このクラスの男子とはメールしてるけど、女子のメアドは一切知らない。
だから、森松のアドも知らなくて当然だった。
「教えて欲しいんやろ~」
ニヤニヤしながら、俺を除いてくる元木。
…こいつのこの性格さえなければ…!!
「そんな、今更俺からメール貰ったって」
「お前なぁ、一時期は仲よかった男だぜ?」
そういわれ心が躍る。
「お前しらねえからそんなこと言えんだよ」
「は?何を?」
あの、言葉を言いたくなかった。
"あんな奴に"
悔しみの表情を見せていると
「…ん、まぁ。嫌ってはないと想うけど」
と一言言い出した
「ドコ見てそんな事言うんだよ」
「だって、俺浦から聞くもん」
―ここからが、俺の話との食い違いだった