君想

って、ちょっとまてー!!!
「なにそれ、本当に言っちゃったわけ!?」

「うん。違う事言って何が楽しいんだよ」
「楽しいとかの問題じゃねぇし!」

やべぇ、追いかけないと…
俺、本当の変態みたいじゃん!

_______________

「…っふ、バカ。」
「矢原。なんて、言ったの?」
「あ、嘘ってばれてた?」
「(こくん)」
「そのまんまの事。」
「?」
「"森崎は、森松の事が好きなんだよ"」
「…!」
「こんぐらいしないとね~」
「くっつか、ない、よ」
「え?森松って…」
「彼氏、いる」
「…嘘」
「彼氏、じゃなくても、好きな奴、この、クラス」
「あいつじゃ、なくて?」
「(こくん)」
「嘘でしょ~」
「森松、から聞い、たから。」
「…やっべ」

_______________

いろんなところを探しまくって十分。
森松は、茂みに隠れて泣いてた。
「お―…」
「なんでっ…あんなやつ…にっ…」

あんな、奴?
晃の事?

「おい、森松?」

「っ!」
座ってた森松は、立ち上がり、俺を睨み付けた。
「っふざけんな!」
「はっ!?」

俺はすっかり勘違いしてた。
「あたしの事、好きなわけ?」
「…え?」
「矢原から聞いた」
鼻声で話す彼女。
俺の頭の中は混乱している。
え?晃って言ったんじゃねえの?
「いっとくけど、好きな人いるから」
「いや、ちょ、まっ」
「なに!?」
ギランと俺を睨む。
そんな怖く睨まなくても…
「…お前、矢原からなんて聞いたわけ?」
「"森崎は、森松の事が好きなんだよ"」
「―なっ///」
「だから、無理だから!」
「…なんでだよ」
「…の。とにかく無理!」
バチンッと俺の頬をビンタし、彼女は行ってしまった。
教室に戻ったんだろう。

「…いって…」

その日流した涙は、何年ぶりの物だったろうか。
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