この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~


 そして…今、静はまた日本で暮らしている。

マスターの助言で、一度はロサンゼルスに渡った。
懐かしい景色を見て、昔馴染と交流した。楽しい時間だった。
恋を忘れるための旅だったが、かえって恋を思い知らされた旅でもあった。

何処にいても、誰といても、竜平を思い出す。
彼の全てを忘れる事は出来なかった。

ロサンゼルスから帰国した静は小さなマンションで暮らし始めた。
一人で生きていく覚悟を決めようと思ったのだ。

浩太には、その事をキチンと告げた。
『忘れられない人がいるから、あなたの元には行けない。』と。

それでも、これまでと同じ友人でいる事を浩太は望んでくれたのだ。

輔に頼るのは申し訳なかったが、華宵流と縁が切れた静を
彼は喜んでフラワーショップ小宮の正社員として採用してくれた。

「ボクらウインウインだよ。静さんはますます腕を上げてるしね。」

以前より三人の関係は打ち解けたものになっていた。


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