この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
「今日の花もいいねえ…竹製の籠と、それは?」
「秋明菊です。」
小さなテーブルを使って、竹籠と花をアレンジした静は満足気だ。
「淋しそうだけど凛とした花だねえ…。」
マスターの青木も、コーヒーを淹れながらじっと見つめている。
「静ちゃんのファンがまた増えそうだよ。」
「まさか!いつも短時間しかいないのに…。」
「そこが、運次第で会えるって事に繋がるんだよ。」
「そんなものですか…?」
「そうそう。」
花を活けた後を片付け、手を洗ったらマスターの手伝いだ。
「今日は何時までいられる?」
「今日はお店のラストの8時まで大丈夫です。」
「賄でも、軽く食べる?」
「いえいえ、今日はお昼が遅かったので…。ありがとうございます。」
「じゃ、時間までよろしくね。」
「はい!」