この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
「静。前から言おうと思ってました…。」
「はい?」
「あなた、自分の気持ちに正直に花を活けていますか?」
大和が真正面から静を見据えて、ゆっくりと問うてきた。
「正直…に…?」
「このお店の花は、生き生きとしています。」
「大和さん…。」
ミルクをたっぷり入れたコーヒーをひと口飲んで、大和は話を続けた。
「あなたは華宵流のお手本通り…、いえ、それ以上のものを活けてはいますが…。」
「お手本…ですか?」
「あなたには、あなたにしか活けられない花があるはずです。」
「大和さん…そんな…、私にそんな事が出来るでしょうか?」