この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
街灯に照らされた噴水がシュッと、ひと際高く上がった。
「懐かしいな、この公園…。」
「そうね、よく学校の帰りに寄り道したわね。」
「お前に宿題教えてもらった事もあったな。」
「前園には、いじめっ子をやっつけてもらったわ。」
「あれから何年たったんだっけ。俺たちよく続いてるよな。」
噴水の水が時折小さくなり、また高く吹き上がる。
高く上がった瞬間は涼しい風が吹くように感じられた。
「お祖父さまとお祖母さまはね、公園で出会った事から始まったんですって。」
「へえ…。」
「お祖母さまの一目ぼれだったみたいだけど。」
「まさか。」
「不思議よね、生まれた場所も性格も趣味も全て違っていたのに
どうしても結婚したくなって東京に来るなんて…。」
「へ~。」
「何、へ~って。」
いつもより饒舌な静に、浩太は違和感を覚えていた。