この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
翌朝、竜平は一番に華宵流東京支部へ連絡を入れた。
東京支部長の御堂院大和との面会を申し込むためだ。
昨日の事があったからか、大和とのアポイントはすぐに取れた。
九段にある東京支部を訪ねると、朝早くから大和が対応してくれた。
応接室に通され、向かい合う。
「早くから申し訳ありません。高瀬竜平です。」
「御堂院大和と申します。はじめまして。」
「本来なら、もっと早くご挨拶に伺うべきところ、申し訳ない。」
「いえ、こちらこそ…あなたと静の縁談は聞いていましたが…
決まったのかどうか耳に入ってこなかったもので、失礼いたしました。」
大和の言い方には皮肉っぽい響きがあった。
「また、昨日は母が押し掛けたそうでご迷惑をお掛けしました。」
「ああ…、お母上は誤解しておられただけですからお気になさらずに。」
「そうでしたか…。それで、昨日は何があったのでしょう。」
「静から聞いていませんか?」
「はい。」
「そうですか…その話でしたら、第三者も呼んでおります。」