この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
大和に礼を言って、竜平は帰って行った、
その後姿を見送りながら、音羽は大和に呟いた。
「イジワルですねえ…。」
「何が?何処が?」
「そういう所…。」
「嫌いになりましたか?」
「やっぱり、イジワルです。」
音羽の腰に腕を回しながら、大和が言った。
「あの男も、好きなら自分で何とかしなくちゃねえ。私みたいに。」
「もう、大和さん朝からやめて。」
大和の手は、音羽の身体を撫でまわしている。
「昨日はアイツのせいで、大忙しだったんです。
今くらい、堪能させて下さい。」
「ヤダ…。今日は遅番だけど、もう仕事に行かなくちゃ。」
「おや、残念。」
「大和さん、静さんの事ちゃんと考えてあげて下さいね。」
「考えてますよ、貴女と仕事の次くらいにはね。」
軽く音羽にキスをして、大和は不敵に笑った。
『考えていますとも…小松原屋敷も含めて、ね。』