この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
「静!」
走り寄ると、竜平は静の細い肩を抱きしめた。
「竜平さん…どうして…。」
突然の抱擁に、静は驚いた様子だ。
今日、ここに竜平が来るとは思ってもいなかっただろう。
「会いたかった、会いたかった静…。」
よろけて座り込む静を、竜平は片膝をついて抱きしめて離さない。
「すまなかった、大変な時に君を一人にしてしまって。」
「いいの、もういい…。」
お互い、じっと顔を見つめ合う。静の頬を涙がつたった。
竜平の手が静の頬をそっと撫でると、彼女はうっとりと目を閉じた。
唇が柔らかく触れ合う。そっとお互いの唇をなぞる。