この恋の始まりはあの日から~何度すれ違っても、君を愛す~
蕩ける顔をした静から離れ、竜平は庭に向けて大きく開いていた障子を閉めた。
横座りになった静の側に戻り、帯を解こうとする。
「待って…。」
静は自分で帯締めを緩めた。
竜平は後ろから静を抱きしめた。静が帯揚げを緩めると、
お太鼓がストンとずれて帯の結び目が解きやすくなった。
名古屋帯をぐるぐると解いていく。竜平が身八つ口から手を入れて
胸のふくらみを柔く触れ、そのまま合わせを緩めると
薄紫の桔梗柄の小紋の着物の肩口がずれて長襦袢が覗いた。
淡いクリーム色の絞り模様の長襦袢が艶めかしい。
竜平が襟元から手を入れて思い切り広げた。
ほろりと豊かな胸がこぼれ、彼がその柔らかな膨らみにそっと唇で触れる。
「静…。俺は…。」
「今は、何も言わないで…。」
紐を解き、絹を剥ぐ。その繰り返し。