―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
「陳さん、俺、そんなこと言ってないから。田淵さん、ちゃんと弁解してよ」
陳さんの冗談では済まされない凄みに恐れを抱き、田淵も「すみません、それいったのはコーチじゃありません」と素直に言葉を撤回した。
「じゃあ誰が言ったの?」
鷹のように鋭い視線が田淵に向けられ、田淵は思わず息を止めた。
龍道コーチが小さく首を振って「言うな」と合図する。
多分この勢いだと、金子さんがしばかれてしまうからだろう。とはいっても誰だか薄情しないと許してもらえなそうな状況に田淵は「いや、えーっと、誰だったかな」と口ごもり、陳さんは目を細めて一層鋭い鷹の目になる。
どうしよう。
透子は緊張に耐え切れず立ち上がり、陳さんの前で頭を下げた。
「ごめんなさい! 私、私が自分で言ったんです」
1分ほど誰も何も言わず、透子は頭を下げ続けていた。
「透子ちゃん」
「はい」
透子は恐る恐る頭をあげた。
「嫌なことがあったらいつでも陳さんに相談してね。それと新ちゃんよりいい男紹介するって言ったのは本当。いつでも言ってね」
陳さんの冗談では済まされない凄みに恐れを抱き、田淵も「すみません、それいったのはコーチじゃありません」と素直に言葉を撤回した。
「じゃあ誰が言ったの?」
鷹のように鋭い視線が田淵に向けられ、田淵は思わず息を止めた。
龍道コーチが小さく首を振って「言うな」と合図する。
多分この勢いだと、金子さんがしばかれてしまうからだろう。とはいっても誰だか薄情しないと許してもらえなそうな状況に田淵は「いや、えーっと、誰だったかな」と口ごもり、陳さんは目を細めて一層鋭い鷹の目になる。
どうしよう。
透子は緊張に耐え切れず立ち上がり、陳さんの前で頭を下げた。
「ごめんなさい! 私、私が自分で言ったんです」
1分ほど誰も何も言わず、透子は頭を下げ続けていた。
「透子ちゃん」
「はい」
透子は恐る恐る頭をあげた。
「嫌なことがあったらいつでも陳さんに相談してね。それと新ちゃんよりいい男紹介するって言ったのは本当。いつでも言ってね」