―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
行き先を告げないまま龍道コーチは30分ほど車を走らせ、とある神社の駐車場に入っていった。
車を停め、エンジンを切り、透子を見つめて問いかける。
「さて、ここはどこでしょう?」
「ここって……私が転げた神社?」
龍道コーチが眉をひそめる。
「俺らの出会いの場所と言ってほしかったな」
「そんなロマンチックなものじゃなかったし」
「まあいいや。水之さんとまた会えることができたら絶対お礼参りに来ようって決めていたんだ」
車から降り、龍道コーチに差し出された手を握る。
駐車場から鳥居に向かって歩く途中、透子は11年前の記憶を感慨深く呼び起こす。
会社の先輩との恋愛成就を願ってこの神社に訪れ、神殿に行きつく前に階段から転げて足を捻挫し家に帰るはめになった。
参拝できなかったせいか恋は報われず、けれどその時の出会いがこんな風につながった。
透子は信じられない思いでつないだ手の先の龍道コーチを見た。
ものすごく幸せだった。
けど、その分昨日の田淵の様子も気にかかっていた。
車を停め、エンジンを切り、透子を見つめて問いかける。
「さて、ここはどこでしょう?」
「ここって……私が転げた神社?」
龍道コーチが眉をひそめる。
「俺らの出会いの場所と言ってほしかったな」
「そんなロマンチックなものじゃなかったし」
「まあいいや。水之さんとまた会えることができたら絶対お礼参りに来ようって決めていたんだ」
車から降り、龍道コーチに差し出された手を握る。
駐車場から鳥居に向かって歩く途中、透子は11年前の記憶を感慨深く呼び起こす。
会社の先輩との恋愛成就を願ってこの神社に訪れ、神殿に行きつく前に階段から転げて足を捻挫し家に帰るはめになった。
参拝できなかったせいか恋は報われず、けれどその時の出会いがこんな風につながった。
透子は信じられない思いでつないだ手の先の龍道コーチを見た。
ものすごく幸せだった。
けど、その分昨日の田淵の様子も気にかかっていた。