―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
「やへてよ(やめてよ)」
「あいつが好きなのは姉貴だよ。あいつ昔からずっとイツキが好きなんだ。残念なことにいまだ報われてはいないけど」
「イツキ? イツキってイツキコーチ? え、イツキコーチってお姉さんなの?」
「そう、龍道樹」
「えええええええ!」
言われてみればマヤさんとは違うタイプだが、きれいにまとまったクールビューティな面立ちは龍道コーチや桜子さんと似ているような気もする。
しかしまるで押し寄せる波のように次から次へと衝撃の事実が明かされ、透子の頭は波に打ち付けられるベニヤ板のように打撃を受けて、めまいがしそうだった。
そうか、そうだったのか。
つくづく自分は鈍いなと、透子は目の前に続く長い階段を見上げた。
行こうと手を引かれ、その階段を龍道コーチと並んで上がっていく。
ご利益があると評判の神社だが、日差しが照り付ける時間のせいか、他に人の姿は見えない。
少し上がったところで、龍道コーチが立ち止まった。
「17段目、ここが出会いの場所」
「よく覚えてるね」
「段数を数えながら上がると願いが叶うって聞いていたから数えていたんだ。で、神様のところに着く前に、鈍い君に言っておきたいことがある」
「な、なに? もしかして私、まだ他にも勘違いしていることがある?」
「あいつが好きなのは姉貴だよ。あいつ昔からずっとイツキが好きなんだ。残念なことにいまだ報われてはいないけど」
「イツキ? イツキってイツキコーチ? え、イツキコーチってお姉さんなの?」
「そう、龍道樹」
「えええええええ!」
言われてみればマヤさんとは違うタイプだが、きれいにまとまったクールビューティな面立ちは龍道コーチや桜子さんと似ているような気もする。
しかしまるで押し寄せる波のように次から次へと衝撃の事実が明かされ、透子の頭は波に打ち付けられるベニヤ板のように打撃を受けて、めまいがしそうだった。
そうか、そうだったのか。
つくづく自分は鈍いなと、透子は目の前に続く長い階段を見上げた。
行こうと手を引かれ、その階段を龍道コーチと並んで上がっていく。
ご利益があると評判の神社だが、日差しが照り付ける時間のせいか、他に人の姿は見えない。
少し上がったところで、龍道コーチが立ち止まった。
「17段目、ここが出会いの場所」
「よく覚えてるね」
「段数を数えながら上がると願いが叶うって聞いていたから数えていたんだ。で、神様のところに着く前に、鈍い君に言っておきたいことがある」
「な、なに? もしかして私、まだ他にも勘違いしていることがある?」