―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
「俺は泉コーチに呼ばれて用具室で話してたんだよ。彼はそのまま用具室から直接事務所に戻っていって、僕は受付に用事があるからこっちから出てきたんだけど、なんで鍵かかってたんだろう。水之さん、鍵かけた?」
「はい?」
自分がやったくせに透子に丸投げするとは。
「かけてないですよ。何のために私が鍵かけなきゃいけないんですか」
無実の嫌疑をかけられ語気が荒くなる。
「それは、ほら、龍道コーチと2人になりたかったから、とか」
金子さんが冗談交じりに、冗談が混じっていない目をして言うので、「やだ、金子さんたらそんな冗談を。まさか」と、本気で否定した。
こんなことで恨まれたら本当に冗談ではない。
「じゃあ生徒の誰か、それか泉コーチかな、ていうか、それしかないよね」
こんどは泉コーチのせいにして話を切り上げ、龍道コーチはマヤさんがいる受付のカウンターの中に逃げるように、というか逃げていった。
「ふうん」と金子さんが疑わし気な視線を龍道コーチに、ではなく透子に注いだ。
「はい?」
自分がやったくせに透子に丸投げするとは。
「かけてないですよ。何のために私が鍵かけなきゃいけないんですか」
無実の嫌疑をかけられ語気が荒くなる。
「それは、ほら、龍道コーチと2人になりたかったから、とか」
金子さんが冗談交じりに、冗談が混じっていない目をして言うので、「やだ、金子さんたらそんな冗談を。まさか」と、本気で否定した。
こんなことで恨まれたら本当に冗談ではない。
「じゃあ生徒の誰か、それか泉コーチかな、ていうか、それしかないよね」
こんどは泉コーチのせいにして話を切り上げ、龍道コーチはマヤさんがいる受付のカウンターの中に逃げるように、というか逃げていった。
「ふうん」と金子さんが疑わし気な視線を龍道コーチに、ではなく透子に注いだ。