―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
昨日と同じく絹子さんに迎えられ、家の中に入る。
田淵はすでに他言無用を実践しているのか、なにもしゃべらず眼だけきょろきょろさせていた。
よほど頻繁に訪れているのだろう。
まるで自分の家のように龍道コーチの屋敷に上がり込むマヤさんの後ろに透子と田淵はついていく。
「私たち着替えてくるから、田淵さんはちょっとここで待ってて」
田淵は10畳くらいある応接室に残され、透子はレッシングルームに連れていかれた。
シャワーを浴びている余裕はないからこれで我慢してと、汗拭きシートとワンピースを渡される。
テニスをしたので汗でべたついた体をぬぐってワンピースに着替えろということだと思うが、説明をはしょりすぎだ。そもそも昨日と同じく、なぜ龍道家に連れてこられたのかもわからない。
「これに着替えろってこと?」
「そう」
「食事ってどこでするの?」
「ここ。ちょっとしたパーティがあって新ちゃんが連れてきてっていうから」
「私を?」
「そう」
「どうして?」
「呼びたかったからでしょ。細かいことは本人から聞いて、とりあえず着替えてよ」
田淵はすでに他言無用を実践しているのか、なにもしゃべらず眼だけきょろきょろさせていた。
よほど頻繁に訪れているのだろう。
まるで自分の家のように龍道コーチの屋敷に上がり込むマヤさんの後ろに透子と田淵はついていく。
「私たち着替えてくるから、田淵さんはちょっとここで待ってて」
田淵は10畳くらいある応接室に残され、透子はレッシングルームに連れていかれた。
シャワーを浴びている余裕はないからこれで我慢してと、汗拭きシートとワンピースを渡される。
テニスをしたので汗でべたついた体をぬぐってワンピースに着替えろということだと思うが、説明をはしょりすぎだ。そもそも昨日と同じく、なぜ龍道家に連れてこられたのかもわからない。
「これに着替えろってこと?」
「そう」
「食事ってどこでするの?」
「ここ。ちょっとしたパーティがあって新ちゃんが連れてきてっていうから」
「私を?」
「そう」
「どうして?」
「呼びたかったからでしょ。細かいことは本人から聞いて、とりあえず着替えてよ」