―17段目の恋― あのときの君とまさかの恋に落ちるとき
薬剤師のような白い制服を着たウエイターが空いたカップを下げていった。
テーブルの上ががらんとした。
大きなテーブルに横並びで座る様子が不自然で目立つのか、龍道コーチの容姿が人目を引くのか、周囲の視線がときおりこちらに向けられる。
「もうこれっきりにしてね。私、ご両親をだますのいやだわ」
「そうもいかない。なんだかんだと探りを入れてくるだろうから」
「なんだかんだって?」
「今日みたいにお茶しようだの、素行調査をされるかもしれないな」
空になったカップを覗き込み、龍道コーチはさきほどのウエイターにアイスコーヒーを2つ頼んだ。
「素行調査?」
「ほかに男がいないか、とかさ」
龍道コーチがちらりと透子を見た。
「いたらどうするのよ。私、彼氏いないなんて言ってないし」
強気に出てみたが、「言ってないけど、いないよな」と断言されて、透子は龍道コーチを睨んだ。
その睨みに肯定の意を読み取った龍道コーチは「だったら」と、にっこり笑った。
テーブルの上ががらんとした。
大きなテーブルに横並びで座る様子が不自然で目立つのか、龍道コーチの容姿が人目を引くのか、周囲の視線がときおりこちらに向けられる。
「もうこれっきりにしてね。私、ご両親をだますのいやだわ」
「そうもいかない。なんだかんだと探りを入れてくるだろうから」
「なんだかんだって?」
「今日みたいにお茶しようだの、素行調査をされるかもしれないな」
空になったカップを覗き込み、龍道コーチはさきほどのウエイターにアイスコーヒーを2つ頼んだ。
「素行調査?」
「ほかに男がいないか、とかさ」
龍道コーチがちらりと透子を見た。
「いたらどうするのよ。私、彼氏いないなんて言ってないし」
強気に出てみたが、「言ってないけど、いないよな」と断言されて、透子は龍道コーチを睨んだ。
その睨みに肯定の意を読み取った龍道コーチは「だったら」と、にっこり笑った。