訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
ある日
初めてクライアントが別邸に来た
今回は外人だから、ずっと英語が飛び交い
栞は妹で秘書の設定でケイの隣に座ってる
俺は隣の部屋で待機って言われたから、聞き耳を立ててる

すると

「ところで、隣の彼女に良い人はいるかね?」

ピクッと思わず動く

「どういう意味でしょうか?」

ケイの声に動揺は無い

「もし良ければ、紹介したい者がいるんだが」

扉の隙間からそっと覗くと

「折角のご好意ですが…」

ケイが栞の肩を抱き寄せ

「彼女は、俺の婚約者です」
「!?」

思わず声が出そうになるのをグッと堪える
クライアントは栞に目を向け

「本当かね?」
「はい、私は彼の婚約者です」
「!?」

嘘でも、栞の口から…ケイの婚約者だと
ギリッ…と歯を噛み締める

「そうか
 君ともっと良い関係を築きたいと考えていたが
 またの機会にしよう」

それからは別の話になり、何事も無く終わった

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