訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
2人がクライアントを見送り、応接室に戻ってきた
俺はケイに近寄る

「おいケイ」
「ん?」

俺の苛立った声にも平然と返す
その態度が気に入らなくて、ケイに掴み掛かった

「蓮!」

栞が珍しく声を荒げる

「シオリ、構わない」

ケイが俺と目を合わせる

「何で俺に嘘を言った」
「何の事だ?」
「とぼけんなっ!
 あのクライアントには、栞には妹になってもらうって言ってただろうがっ!
 それが何でテメェの婚約者になってんだよっ!」
「蓮!訳を聞いて!ちゃんとした理由が「栞も知ってたのか…」」

知らなかったのは、俺だけ?

「栞も、最初から妹じゃなく、婚約者として隣にいたってのか?」
「違う…っ!ちゃんと話を「最初からじゃない」」

ケイはあくまで冷静に、俺を見る

「シオリには妹として、いてもらってたよ」

掴み掛かってる俺の手をゆっくり解く

「でも、婚約者になってもらうのも俺だけ、最初から考えてた
 シオリにも話してなかったが、流石…、瞬時に対応してくれた」
「…、どういう事だよ」
「一応伝えておくべきだったね。とりあえず、落ち着こうか」

ケイに促され、ソファに座る
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