訳あり無表情少女と一途な幼馴染 〜裏の仕事〜
「栞っ!」
さっきの栞が弾いたナイフを拾い、縄を切る
ケイが自分の服を千切り、血が流れる太腿に巻き付ける
俺は傷に障らねぇ様にしながら上半身を抱き上げる
栞は苦痛の表情で目を瞑り、息を切らしてる
出血の所為で顔が青白い…っ
「栞!早く治せ!」
栞は少し目を開け
「それより…も、ケイ…」
「ああ。お前のお陰で手に入った、ありがとな」
そういやぁ、ここに来た目的…
俺の考えてる事が分かったらしく、ケイはニッと笑み
「ずっと俯いてたろ
栞がアイツの部屋にしかない情報を探って俺に伝えてくれたんだ
伝わるのは一瞬だが、それを脳内で整理したりするのが大変だから
俺はソレに集中して、何も言わないのを疑われない様に俯いてた
今回の仕事はこれで完了だ、早く「ビーッ!ビーッ!ビーッ!」」
「何だこの音!?」
「まあそう簡単には帰らせてくれないか」
「さっさとここから出ねぇとっ!栞!早く傷を「そんな、暇は…無い」」
気付けば栞の左目には、またペンタクルが
「追っ手が、近く…に、早く…」
栞が立ち上がろうと身じろぐのを見て、すかさず抱き上げる
「お前は足の傷を治すのに集中しろ」
まずは出血が酷い足を治さねぇと
「行くぞ」