【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



 お腹に手を当てて、妊娠しているというこの事実を受け入れるが何よりも嬉しい。

「……奈都」

「はい」

 真剣な眼差しを向けてくれた咲哉さん。わたしはそんな咲哉さんの瞳を、じっと見つめた。

「結婚、しよう」

「……え?」

「奈都とお腹の子を、一生幸せにしたい。……いや、絶対に幸せにする」

 その言葉で、わたしは嬉しくなって、思わず涙が出そうになった。

「っ……」

 だけどその涙を抑えることは出来なくて……。
 
「結婚しよう、奈都」

「はいっ……。します、結婚……」

 わたしはそのプロポーズを、涙でぐしゃぐしゃになったその顔で。一生懸命に笑って受け入れた。

「良かった。……結婚指輪、買わないとな?」

「……はい。 あとご両親にも、ご挨拶しないとですね」

「そうだな」

 妊娠したことを報告したわたしは、彼からプロポーズをされて、結婚することを決めた。……これからの人生を共に歩んでいきたいと、本気で思う彼と、わたしは結婚することを決めた。
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