【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「奈都、改めて、結婚と妊娠おめでとう」
「ありがとう、藍那」
咲哉さんと結婚したことを、藍那や会社の人たちにも入籍後に報告した。
「これ以上ないってくらい、幸せになるんだよ?」
「うん。……わたし、幸せになるからね」
「そうだよ。今までのことなんて忘れるくらい、幸せになりなさいよ」
藍那はそう言って、嬉しそうに笑っていた。
「うん。ありがとう」
「赤ちゃん生まれたら、わたしにも抱っこさせてね?」
「もちろんだよ」
藍那はわたしにとって、よき理解者であり、親友だ。 藍那にもわたしたちの赤ちゃんを抱かせたいに決まってる。
「奈都、新婚さんなんだから、たくさん惚気けちゃっていいんだからね?」
「ええっ……。いい、いい! そんな惚気けるつもりないから!」
そんなこと言われると、恥ずかしい……。しかも、わたしが結婚したのは会社の社長である五月女咲哉さんだ。 社長と結婚したことでわたしは、一躍社内では社長夫人だと言われることになった。