【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「……ウフフ」

 左手の薬指に付けられたこの結婚指輪が、わたしたちが夫婦だという証。……あんな出会い方しても、こんなふうに幸せになれるものなんだって思った。

「本当に幸せそうね?わたしもうお腹いっぱい」

「わたしは藍那にも、幸せになってほしいよ?ふたりで幸せを掴もうよ」

「そんな日が来るかしらね?」

「来るよ。……だってわたしにも、来たんだから」

 藍那はあまり恋愛には興味がないみたいだけど、いつか結婚して幸せになってくれる日をわたしも夢見てるからね?大好きで最高な親友だもん、わたしたち。

「そうねぇ。結婚の前にまずは彼氏を作らないと」

「藍那、誰かいい人いないの?」

「んー、それが残念ながらいないのよ。本当に」

 と、藍那は残念そうに言った。

「ええー。一人も?」

「そう。……まぁ恋愛なんてめんどくさいと思ってたけど、たまにはいいかもね?寂しさを紛らわせたい時とかには」

「そうだね。誰かがそばにいるだけで、安心するよね」
< 108 / 166 >

この作品をシェア

pagetop