【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
わたしも本当にそう思う。 奏人がいなくなった日から、わたしの時間は止まったままだった。そして寂しさを紛らわせたくても、そこに奏人はいなかった。
あの頃のわたしは、一人でいると奏人のことばかり考えてしまっていた。そしてどんなに忘れようとしても、忘れることは出来なくて。……いっそのこと頭の記憶から彼を消しされれば良かったのにって、そう思ってた。
思い出すといつも彼のことばかり考えていて、本当に死ぬほど彼を愛していたんだなって、わたしは彼がいなくなったことで思っていた。
「わたしも、婚活しようかな?」
「いいじゃん!」
藍那が恋愛を始める気になったみたいで、わたしもちょっと嬉しい。
「ね、今だとマッチングアプリとかもあるしね?……ちょっとやってみることも、考えてみようかな?」
「いいじゃん。やってみたら?お試しで始めてみるのも、アリじゃない?」
「ちょっと、考えとくわ。 じゃあわたしこっちだから。また明日!」
藍那に「また明日」と手を振って家に帰った。