【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「ただいま」
夕飯を作り終えた頃、咲哉さんがちょうど帰宅したようだった。
「おかえりなさい、咲哉さん」
「お、いいニオイだな?」
「今日は鯖の味噌煮とほうれん草のおひたしと、ワカメと豆腐の味噌汁です」
「うまそう。すぐ着替えてくる」
咲哉さんは一度寝室へと行くと、そのまま部屋着に着替えて手を洗ってきた。
「いただきます」とふたりで夕食を食べながら、一緒にテレビを見るのがわたしたちの毎日の日常だ。
「うん、美味い」
「それは良かった」
「本当に全部美味い」
「ありがとうございます」
美味しいと食べてくれる咲哉を見ると、わたしまで幸せな気持ちになる。
「そういえば、つわりの方はどうだ?」
「んー。たまにありますけど、今の所は平気です」
と言うと、咲哉さんは「そうか。つわりだってこれから大変になるだろうし、あまり無理はしなくてもいいからな?」と言ってくれた。
「ありがとうございます。無理はしないように気を付けます」
「そうしてくれると助かるな」