【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
その日咲哉さんが帰ってきたのは、夜の10時過ぎだった。
「ただいま」
「おかえりなさい。咲哉さん」
わたしがお風呂から上がり、ちょうどソファーに座って髪の毛を拭きながら、咲哉さんに視線を向けた。
「奈都、大丈夫なのか?」
「はい。大丈夫です」
「そうか。あまり無理をするなよ?」
と、咲哉さんはスーツを脱ぎながら言ってくれた。
「ありがとうございます」
「奈都、俺も風呂に入ってくる。先に寝ててもいいからな?」
「分かりました」
と返事をして、わたしはドライヤーで髪を乾かしてその後スキンケアを行った。
だけど化粧品のニオイで吐き気が起こり、気持ち悪くなってしまったわたしは、急いでキッチンに駆け込んだ。
「奈都? 大丈夫か!?」
気持ち悪くなり、キッチンに駆け込んだわたしを見て、咲哉さんは心配そうに駆け込んできた。
「だ、大丈夫です……。すみません、化粧品のニオイで気持ち悪くなってしまって……」