【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



 その日咲哉さんが帰ってきたのは、夜の10時過ぎだった。

「ただいま」

「おかえりなさい。咲哉さん」

 わたしがお風呂から上がり、ちょうどソファーに座って髪の毛を拭きながら、咲哉さんに視線を向けた。

「奈都、大丈夫なのか?」

「はい。大丈夫です」

「そうか。あまり無理をするなよ?」

 と、咲哉さんはスーツを脱ぎながら言ってくれた。

「ありがとうございます」

「奈都、俺も風呂に入ってくる。先に寝ててもいいからな?」

「分かりました」

 と返事をして、わたしはドライヤーで髪を乾かしてその後スキンケアを行った。

 だけど化粧品のニオイで吐き気が起こり、気持ち悪くなってしまったわたしは、急いでキッチンに駆け込んだ。
 
「奈都? 大丈夫か!?」

 気持ち悪くなり、キッチンに駆け込んだわたしを見て、咲哉さんは心配そうに駆け込んできた。

「だ、大丈夫です……。すみません、化粧品のニオイで気持ち悪くなってしまって……」
< 116 / 166 >

この作品をシェア

pagetop