【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



 と言うと、咲哉さんは「大丈夫だ。無理をするな」と言ってくれた。

「座るか?」

「はいっ……」

 ソファーに座られせてくれた咲哉さんは、優しく背中をさすってくれた。

「辛いよな?……ごめんな。そんなに辛いのに、何もしてやれなくて」

 と、咲哉さんは心配そうにそう言うと、わたしをそっと抱きしめてくれた。

「いいえ……。大丈夫です。 これも赤ちゃんのためですから」
 
 そう思って頑張らないと。元気な赤ちゃんを生むためには、つわりを乗り越えて行かないといけないから。

 この先だってきっと、大変になるだろうし……。こんなことで負けてられない!

「奈都は頑張り屋だから、とても心配だ」

「わたしなら、大丈夫です」

「そうか。 奈都、もう遅い。寝よう」

「はい」

 わたしたちは寝室に行き、ベッドに潜った。

「体辛かったら、ちゃんと言えよ?」

「はい。分かりました」

「おやすみ、奈都」

 と言ってくれた咲哉さんと、軽くキスを交してから、電気を消して眠りについた。
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