【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



◇ ◇ ◇



「五月女奈都さん、診察へどうぞ〜」

「はいっ」

 今日は産婦人科での検診の日だ。咲哉さんは今日はとても外せない商談があるため、検診には来られないことをとても残念そうだった。

「じゃあお腹診ますから、横になってね」

「はい」

 診察室へ入り、血液検索や超音波検査などを順番にやっていく。

「けっこう順調そうだね。まだ小さいけど、確実に成長してるわ」

「本当ですか? よかった」

 お腹の中にいる我が子に成長を見れるだけで、わたしは嬉しくなる。 それにちゃんと育ってると分かると、すごく安心する。

 この子、ちゃんと生きてるんだなって。そう思えるのだ。

「どう?赤ちゃんをこうやって見てみて」

 と、先生から聞かれたわたしは「はい。すごく、可愛いです……」と答えた。

 だってわたしたちの赤ちゃんは、こうやって日々少しずつ大きくなっていってる。こうやって我が子が成長する姿を見れるのは、本当に嬉しい。
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