【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「……はい。 先生、ありがとうございます」

 そんな先生の優しさが心に染みて、本当に嬉しくなった。

「もし何か迷ったりしても、それは仕方のないことよ。 一人で悩まず、誰かに相談に乗ってもらうのも、立派なお母さんの仕事だからね?」

「はい」

 先生の言葉はいつも温かい。そして優しい。そんな先生にいつも、助けられている。

「じゃあ次の検診は来月ね。検診以外でも、気になることがあれば来てくださいね」

「はい。ありがとうございました」

「お大事に」
 
 病室を出たわたしは、廊下でとある妊婦さんとすれ違った。 その妊婦さんは歩いている時、お腹を抑えていて、とても苦しそうだった。

 どうしたんだろう?そう思っていた時、わたしの目の前で妊婦がお腹を抱えたまま、しゃがみこんでしまった。

「えっ……!? 大丈夫ですか!?」

「っ……お腹が……痛いっ」
 
「大丈夫ですか!? すいません!誰か!」

 わたしは近くにいる人を呼んだ。

「どうしました!?」

 駆けつけてくれたのは、中川先生だった。
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