【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「ありがとうございます」

「赤ちゃんのために、俺たちも頑張らないとな?俺たちは家族になるんだし」

「はい」

 家族か……。そうだよね、わたしたちは家族になるんだよね。こうして夫婦になって、赤ちゃんが産まれて……。わたしはこんな素敵な人と家族になれるんだよね? 嬉しいし、幸せだ。

「家族になっても、俺はずっと奈都のことを愛しているからな? そして赤ちゃんのことも、愛している」

「……はい。わたしもあなたと、同じ気持ちです」

 わたしも咲哉さん、あなただけ。咲哉さんに出会って、デートして、交際し始めて、そして結婚して……。こうして新たな命まで、誕生を迎えようとしている。そんな日々が幸せであることは間違いない。

「嬉しいよ、奈都」

「当たり前です。わたしには、あなただけですよ?」

 あなた以外、考えられない。この先の人生だって、わたしには咲哉さんだけしかあり得ないのだから。

「奈都、腹が減った。夕飯にしないか?」

「はい。今日は肉じゃがにしました」
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