【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「お、肉じゃがいいな。早速食べよう」

「はい。すぐに用意しますね」

「ありがとう」

 作ったばかりの肉じゃがとお味噌汁と雑穀ごはん、ほうれん草のおひたしをテーブルに並べると、咲哉さんがリビングへと戻ってきた。

「お、美味そう」

「さ、食べましょうか」

 夕飯をふたりで食べ終えた頃、咲哉さんが思い出したように「そうだ」と言葉を発した。

「咲哉さん、どうしたんですか?」

「そうそう。赤ちゃんが産まれるからと思って、ベビーカーとベビーベッドを買ったんだ」

 咲哉は嬉しそうにそう話してくれた。

「ええ? ベビーカーとベビーベッドを買ったんですか?」

「ああ。そろそろ買っておいたほうがいいかなと、思ってな?」

「確かに、そろそろ買わなきゃとは思っていたんですけど……。まさか買ってくださってたなんて、ありがとうございます」

 咲哉さんは赤ちゃんのこともわたしのことも、ちゃんと考えてくれていることが嬉しくて。つい微笑みが出てしまった。
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