【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「いつも支えてくれてありがとう、奈都」 

「こちらこそ、いつも支えてくれて、ありがとうございます」

 そしてわたしたちは、リビングのソファの上でそっと唇を重ねた。




◇ ◇ ◇




「じゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 それからは本当にあっという間だった。気が付けば、もう臨月を迎えていた。前よりも大きくなったそのお腹は、だんだんと重みが増してきた。

 そして本当に、赤ちゃんがここにいるんだなと、ますます実感するようになった。毎日赤ちゃんに愛情を注いでいるわたしたちは、もうすぐ産まれてくるこの子をことを何よりも楽しみにしている。

「早く、産まれてきてほしいな」

 わたしたちは、この子にたくさんの愛情を注ぐと決めている。この子が思いやりと優しさに満ち溢れた子に育っていけるように、わたしたちは一生懸命育てていくことを決めた。

「もう少しだから、頑張ろうね?藍(あおい)」

 藍(あおい)。これがわたしたちが決めた、子供の名前。
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