【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「奈都、藍寝たか?」

「はい。なんとかですけど」
 
 遊びたいと駄々をこねる藍をなんとか宥めて、ベッドに寝かし付けたのを見て、咲哉さんはそう問いかけてきた

「よかった。夏恋もぐっすり寝てるよ」

「そっか。ならよかった」

「藍は最近、少しだけどさ、お兄ちゃんっぽくなってきたな?」

 藍の寝顔を眺めながら、咲哉さんはそう言った。そんな咲哉さんの言葉に、わたしは「そうですね。夏恋のことも気にかけてくれるし、お兄ちゃんって自覚が出てきましたね」と答えた。

「きっといいお兄ちゃんになるな、藍は」

「だといいんですけどね」

 そんな藍の寝顔を見ながらわたしたちは、リビングへと戻った。

「なぁ、奈都?」

「はい。なんですか?」

「いつも、本当にありがとうな?」

 夜の12時を過ぎて寝る準備をしていたわたしに、咲哉さんは優しくそう言ってくれた。

「いえ。こちらこそ、いつもありがとうございます。 いつもお仕事、お疲れ様です」

「奈都のおかげだよ」
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