【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜

　
　言われた通り、五月女社長の目の前に座った。

「……あ、あの」

　と口を開くと、五月女はすかさずわたしにこう聞いてきた。

「何飲む？　好きなもの奢るよ」

「……え」

　と聞かれても、なんて答えたらいいのだろうか……。

「ほら、遠慮なく選んでいいよ？」

「……はぁ。ありがとう、ございます」

　そんな優しい微笑みを向けられたら、わたしはあなたを奏人だと錯覚してしまうよ。やっぱり、奏人の笑顔とそっくりだ。

　だって同じ顔、してるんだもん。　そう疑わずにはいられないよ……。

「何か食べる？」

　と聞かれたわたしは、何も答えることが出来なかった。　

「甘いもの、平気？」

　黙って下を向いていると、五月女社長にそう聞かれた。

「……え？」

「甘いもの。食べられる？」

「……あ、はい」

「じゃあチョコレートパフェ、食べようか」

　チョコレートパフェ？奏人と好きなものまで、同じなのか……。　奏人も、甘いものが大好きだった。特にチョコレートが好きだった。