【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「あ、桃原さん。お疲れ様」
 
 それなら何日かして、また社内で五月女社長とすれ違った。

「……あ、お疲れ様です」

 と挨拶して、そのまま歩こうとしたその時。

「桃原さん、ちょっといいかな?」

「え……?」

 え、え? 何? なんなの……?

「ちょっとだけ話したいことがあるんだ」

「話……ですか?」

 一体、なんの話なのだろうか……。

「うん。……桃原さんさ、もしかして俺のこと避けてる?」

「えっ……!」

 ば、バレてる……?

「やっぱり、そうなの?」

 と聞かれても、なんて言ったらいいのか分からない。 正直に言うべきなのかな……?

「そ、そんなこと……ないです」

「本当に?俺にはそう見えるけどな」

「そ、それは……。社長の、勘違いです……」
 
 って言わないと、なんて言われるか分からなくて怖い。

「そう?ならいいんだけど。 じゃ、お疲れ様」

 社長はそう言って、そのままま歩きだしていった。
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