【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「……はぁ」
焦った……。なんで急にそんなこと言い出すんだろう……。
「あ、奈都。ちょうど良かった」
部署に戻ると、藍那にそう言われた。
「え?」
「葉山(はやま)さんがね、朝納品されたはずの納品書がないって騒いでるらしいの」
「ええっ!」
納品書がない? そんなことある……!?
「備品発注したのって奈都でしょ?」
「うん。わたし! 納品書がないって、どういうこと?」
「なんか納品した分の納品書があるはずなのに、どこにもないって言ってるのよ」
藍那にそう言われて、わたしは急いで備品発注した際の履歴を出した。
「もしもし、葉山さん?今どこ?」
「今保管庫です……。すいません、わたし……」
「謝るのは後ででいい! それより、納品書はどこに置いてあったの?」
わたしは葉山さんに電話してそう確認した。
「それが……気付いたらなくて……」
葉山さんの声は微かだけど、泣きそうになっていた。