【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
第二章
同情なんかされたくない
それからしばらく経ったある日のことだった。社長が来てから約一ヶ月が経った。そしてもうすぐで大型連休がやって来ようという所で、わたしは社長から呼び出された。
「失礼します。 五月女社長、お呼びでしょうか……?」
「桃原さん、待ってたよ。 さ、座ってくれるかな?」
「え? あ、はい……」
なぜ呼び出されたのか、わたしには理由が分からないのだ。何かしてしまったのだろうか……?
「桃原さん」
「はいっ」
取ってくる名前を呼ばれて、体が跳ね上がった。なぜか分からないけど、やたら緊張感する。
「今度の連休で、俺とデートしないか?」
「……え?」
その言葉は、予想もしていない言葉だった。
「あれから君のこと、もっと知りたくなってね。……あの日、君寂しそうに俺のこと見てたから」
「……あの日?」
あの日って……?
「桃原さん」
「……はい」
「言ったでしょ?俺は、君には笑っててほしいって」
五月女社長のその目は、本当に真剣だった。