【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



「ごちそうさま、でした」

「ああ。……じゃあ次は、散歩にでも行こう」

「え、散歩……?」

 卓球の後は、お散歩? デートなのに、今度はお散歩?

 んー……。よく分からない。

「そう、散歩。 今日は暖かくて天気もいいし、散歩でもして帰ろう」

 と、五月女社長はにこやかに言った。

「……はい。散歩、しましょう」

 たまにはこんな日があってもいいかもしれない。リラックスではないけど、こんなにゆっくりとした時間があってもいいかもしれない。

「よし、行こう」

 と五月女社長は、わたしの手を握りしめた。

 五月女社長に手を握られた瞬間から、なんだかドキッとしてしまって、フワフワした気持ちになる。 握られた手の温もりは優しさがあって、そしてなんだかドキドキした。

「奈都、見てみ?」

「……え?」

 五月女社長に声をかけられ、指差した方を見ると、小さな子供たちが元気よく走り回っていた。

「可愛いな?子供」

「……はい。可愛い、です」
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