【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「……わたしは、幸せになってもいいんですかね?」
「え?」
わたしのその問いに、五月女社長は不思議そうにわたしを見ていた。
「……ずっと幸せになりたいと思っていたけど、幸せになれるかどうか分かりませんでした。……奏人がいなくなって、わたしは絶望しました。生きていく意味を失って、どうすればいいのか分からなかったです」
五月女社長は、黙ってわたしの話を聞いていた。
「……わたしは、幸せになってもいいんですかね」
「いいんだよ。幸せになっても」
五月女社長は、わたしのその問いかけに、優しくそう言ってくれた。
「……ありがとうございます」
その言葉でわたしは、救われた気がした。幸せにもいいって言ってもらえただけで、救われた気がした。
「奈都、俺はいつでも奈都のことを見守ってる。何があっても、奈都の味方だから。だから安心して、俺を頼っていいんだぞ。……言っただろ?とことん俺を、利用すればいいって」