【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
「…………。ん?」
翌朝、目が覚めたわたしは、ふと隣を見た。すると隣には、わたしの顔を見つめる五月女社長がいた。
「起きた?奈都」
彼はわたしの髪の毛を撫でながら、優しくわたしを見て微笑んでいた。
「さ……五月女社長……」
そんなに見つめられると、恥ずかしい。 そして緊張する。
「よく眠れた?奈都」
「え? あ、はい……」
酔っていてあまり覚えてないけど、きっとわたしは彼にトロトロに溶かされながら抱かれたに違いない。……昨日のわたしは、変だった気がしたし。自分が自分じゃないみたいになっていた。
彼の腕の中で、甘く甘美な声を漏らしたわたし。そして彼の体温に包まれて抱かれる中で、彼のことを好きなのでは?と錯覚したのもまた事実になっていた。
それくらい彼に抱かれると気持ちよくて、わたは理性を飛ばした。時々汗ばんだその背中を掴んでは、奈都と名前を呼ぶ彼に愛されているのでは?と錯覚してしまった。
「……奈都、体、大丈夫か?」