【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜
会議が終わったのは、それから1時間半後だった。ずらずらと帰っていく方たちを見ながら、わたしたちは片付けをした。
「五月女社長、お疲れ様でした」
「ありがとう。 あの資料、よく出来てたよ。とても見やすくて、分かりやすかった」
と、五月女社長は笑顔で褒めてくれた。
「……ありがとうございます」
褒められて、少しだけ嬉しかった。頑張った甲斐があった。
「なんとか取引先も、あの条件なら認めてくれそうな雰囲気だったし。 とりあえずは、良かったんじゃないかな?」
と、五月女社長は言っていた。
「……なら、良かったです」
「良かったね、奈都」
「うん。……本当に、残業した甲斐があったよ」
わたしの努力が実を結んだのは、良かったかもしれない。あれだけ残業して作った資料で、なんとか契約を結んでもらえそうで、正直ホッとした。
「ありがとう。君のおかげだよ」
残五月女社長は、そんなわたしに優しく微笑み、頭をそっと撫でた。