【完結】君の全てを奪いたい〜俺の愛で埋め尽くす〜



 力強く抱き締めたくれた彼は、わたしの頭を撫でてくれる。

「……咲哉さん、ありがとうございます」

「奏人、夢で何か言っていたのか?」

 と問い掛けられたわたしは、「……奈都、こっちだよって言ってた」と答えた。

「……そうか」

「笑ってた……奏人。夢の中でね、笑ってたの……」

 わたしは泣きそうになって、下を向いた。咲哉さんは、そんなわたしを何も言わずに抱き締めてくれていた。

「……奈都、大丈夫だ。俺はどこにも行かない。ずっと奈都のそばにいるから」

 そう言われてわたしは、小さく頷いた。

「咲哉、さん……」

 わたしは、咲哉さんの顔をジッと見つめた。

「奈都。……俺はずっと、奈都のことを好きでいる自信がある。 奈都のことを好きなんだよ、こんなにも」

「はい……」

「……そんなに俺のことが、信じられないか?」

 わたしは咲哉さんにそう問い掛けられた。だけど「ううん……。信じます、咲哉さんのこと」と力強く答えた。
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