エリートな彼の好きな女 ~ウブな秘書は恋愛をしたくないのです~
日曜日がやってきた。
天気は快晴。 過ごしやすい気温。
絶好のピクニック日和でありますね。
本日のデート。
公園にてピクニックです。
これは私が提案してみた。
天気予報通りのお天気に、内心うきうきだったりする。
朝から頑張って作ったお弁当を持って、午前十一時、アパートを出る。
お弁当を作っていくと言った時の社長を思い出してふっと笑いがこぼれる。
嬉しいって感情を抑えようと必死なのが面白いんだもの。
そして、なんと今日は社長がお迎えに来てくれる。
彼はペーパードライバーだったらしく、レンタカーを借りてくれるというのだ。
いやぁ、びっくり。
確かに今日の行先は電車だとちょっと遠いかなぁと思っていたので、正直有難い。
外に出てみて思う。
思っていたよりも暖かい。 暑いくらいだ。
トレンチコート、いらなかったかなぁ。
なんて考えていると、一台の車が見えた。
白のコンパクトな車だ。
アパートを少し通り過ぎたところに止まったその車から、なんとびっくり社長が降りてきた。
うわ、絵になる!!
車から降りてくるイケメン、破壊力半端ないのですが。
「陽葵」
春らしい涼し気なコーデを着こなした社長が歩いている姿。
私、またこの人とデートするのね。
「お待たせ」
「いえ。 お迎え、ありがとうございます」
てっきり高級車を想像していたから、ちょっと拍子抜けしたけど。
庶民派の私には好感度が爆上がりました。
会社の女の子たちは、ギャップにやられるんじゃないかしら。
「行こうか」
助手席のドアを開けてエスコートしてくれる。
こういうところはやっぱり〝ぽい〟よね。
紳士な振る舞いって社長ならではって感じがする。
私はなんだか恥ずかしくなってしまうけど、嬉しいのも本当。
お姫様扱いされてる気分。
社長は静かに車を走らせた。