24時の鐘と俺様オオカミ
(き、きき、キスされ……!)


 急激に上がる体温。早まる心臓。
 戸惑いや恥ずかしさで、眉が八の字になった。

 それを見た大路君は、


「やっと表情変わったな」


 そう言って、


「真っ赤になって……リンゴみたい、白雪姫ちゃん」


 今度は額にキスを落とす。

 雪のように白い肌、宵闇で染めたような黒い髪、血潮のように赤い唇。
 そんな白雪姫のもとに現れたのは――……オオカミでした。
< 13 / 82 >

この作品をシェア

pagetop